江戸時代の薩摩藩は浄土真宗を厳しく禁止していました。そのため、この地域の信者はこのかくれ念仏洞で密かに信仰を続けていました。花尾山の裾伝いの道路から、山路を約200メートル登った杉木立の奥にある岩穴で、高さ1.4メートルの三角形の入口から入ると洞窟の奥は八帖敷きほどの広さになっており、立ってはいることはできません。浄土真宗の禁制が解かれるまで、信者たちがかくれ念仏行に利用していました。洞穴の中には、空気孔や仏像を置いたと思われる棚なども残っています。役人に見つかれば拷問され、死刑になるかも知れない中での求道でした。明治9年9月5日に宗教自由の令が布達されるまでの約300年間弾圧は続きました。
基本情報
鹿児島県鹿児島市花尾町2312
「花尾神社前」下車、徒歩20分。